熊野古道ギャラリー

 
夫妻
人の正面形に簪(カンザシ)のような髪飾りを付けた形が「夫」。女子の姿「女」字の頭にやはり大きな髪飾りを付けた形が「妻」。いずれも、結婚の儀式の際の男女の姿が元になっている字です。シルクハットとティアラの新郎新婦が、今、手を取り合って誓いの言葉を交わしました。化粧紙にしたものは長瀞の岩畳を拓本にしたものです。長瀞の岩畳は紅レン片岩、緑泥片岩といった剥離性のある岩石で、開通褒斜道刻石の岩と似ています。拓にすると、その磨耗具合によって独特で幽玄な響きが出てきます。大開通の独特の魅力を出しているのはこの岩であるといっても過言ではないと、私は思ってます。
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